Incident Report

[BBS投稿No.57]

日時/場所 
1998年8月7日/北海道野付半島
インシデントの内容
定置網による拘束
ツアー状況
    3週間の北海道東部単独ツーリング
インシデントの詳細
野付水道は潮流の速い海域である(推定1〜2ノット)。7月後半に張られるサケ・マス漁の定置網には、魚の重量と潮流に耐えられるような、極太ロープが使用される。わたしは潮流に逆らって、500m間隔で仕掛けられている定置網のロープをひとつひとつ越えていた。わたしも長期ツーリングの際は直進性を高めるためにラダーを使用する。このときもラダーを使用していた。また、海はベタ凪であった。
幾つめかの定置網を乗り越える途中で、逆方向からの潮流と定置網のロープの摩擦抵抗に負けたカヤックがロープの上で座礁。潮流で海面近くを漂っていた網にラダーが引っかかり、後退も不能になった。なお、後退しようとした際に、ラダーの取り付け部分には瞬間的に大きな力が加わったものと思われる。これが直接の原因かどうか不明だが、後日スターン部分のフレームに亀裂が見つかった(カヤックはフェザークラフト/K1)。
処置
必死のパドリングで15cm程前進。ラダーを上げてからようやく後退。上陸してポーテージした。なお、サケ・マス漁の定置網はかなり沖合まで張り出されるため、迂回は考えなかった。
原因
サケ・マス漁の定置網のロープの太さを甘く見ていたこと。
潮流で海面近くを漂う網の危険性を理解してなかったこと。
反省/対策
定置網を発見したら、現場での状況判断で、速やかに通過/迂回/上陸のいずれかを選択する。以下のことをチェックする。

1.乗り越えられる定置網か(※)
2.潮の影響で網が海面近くを漂っているか否か

乗り越えられない定置網なら、沖合を迂回または上陸してポーテージをする。乗り越えられる定置網でも、網が水面近くを漂っているなら、潮の向きとは関係なくラダーを上げる。また、沈した際に網に引っかかる可能性のある、デッキ上の小物類をすべて片づける。

(※)ロープの太さだけでなく、波高も考慮する。ロープの下にバウが潜り込むとカヤックが転覆する可能性がある。転覆した状態のカヤックがロープで押さえつけられた場合、ロールでリカバリできるとは限らない。定置網付近で沈した場合、人が網に絡まりカヤックが潮や風で流される、またはカヤックが網に絡まり人が潮や風で流される、という最悪の事態が起こりうる。







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